『卒婚のススメ』を読んで
読もうと思った理由
数年前に卒婚という言葉を知ってから、夫とはいつか卒婚したいと考えていた。
夫の言動に傷つく自分がいて、定年退職後、一緒にいる生活は無理だろうと思っていたのと、夫が離婚に応じるとはとても思えなかったからだ。
子どもが生まれてから、ストレスに弱い私は、義実家(その頃は義両親だけでなく義妹もいた)での同居、仕事、子育てをする中で、夫との対話がうまくいかないことはかなり辛いことだった。
何度も、同居か、結婚か、仕事をやめたいと相談したが、いずれにも応じてもらえなかった。いや、むしろ私が言っていることは極端でビジョンがないと門前払いを喰らうだけだった。
自分が何に苦しんでいるのかを的確に伝えられなかった私にも問題があるが、夫とは定年後一緒に暮らせないが、離婚するにしてもその話し合いは困難を極めるように、私には思えた。
だから、卒婚という形で、夫と距離を置いた結婚生活ができたらいいな、と思っていたのだ。
表紙をみてすぐ、これは参考になるだろうと手に取った。
読んでみて感じたこと
内容は6組のカップルの後半生における結婚の状況についてインタビュー取材したものと、それに著者の考えを加えたものになっている。
読み始めてすぐに思ったことは、私が考えていた「卒婚」は夫と距離を置きたい私の身勝手な押し付けだなと言うことだった。
本書に出てくる6組のカップルは、お互い話を合いをして、相互理解のもとその時点での夫婦に適した夫婦生活の形をとっている。
お互い自立して、好きなことをして暮らしながらも、結婚したままでいると言うのは、お互いに愛があり、理解あってこそなのだ。
私みたいに、単に夫と離れたいと言うだけなら、やっぱりそれは離婚するべきだ。
本書中に卒婚にスムーズにシフトできるカップルの特徴が挙げられていた
①よく話し合っている。しゃべり合っている。
②互いに譲り合っている。相手に無償の献身をして「貸し」がある。
③相手をサポートしようと言う意思が互いにある。
④人生の理想を共有している。
⑤小さいことに目をつぶる。
⑥相手に異性として惚れている。
⑦身辺自立ができていて、自分のことは自分でできる。
自分に当てはめてみると、
① →よくしゃべっている方の夫婦だと思う。
②→無償の献身はできていない。強いて言うなら、うつ病で実家養生させてもらっているので、夫は私に無償の献身をしてくれていると思う。
③→結婚生活を続けようという意味でお互い意思があると思う。
④→してない。というか、自分の理想もわからないし、相手の理想なんて知らない。
⑤→これ大事だと思うけど、一緒に生活してると目つぶれない。イライラしちゃう。
⑥→これも大事だよね。これなかったら、離婚でよくない?
⑦→これ本当、大事。身辺自立だけじゃなくて、精神的な自立も必要だよね。で、私は今、経済的自立と精神的自立ができてない。夫は多分、私がいなくても生きていけると思う。
なんかやっぱり夫はいい夫なのかもなあ。
エピローグにも再度、違う言い回しで特徴が挙げられていたけど、その中に
結婚生活へのたえざる努力を続けている
てのがあった。
やっぱり努力。
一度形を見つけて、安定するものでもないから、常に続けていくための努力。それがお互いに必要なんだなあ。
本書の中で、気になって拾った言葉
中年期に心理的クライシス(危機)が訪れる
まさに、今、私に訪れている。
子育ては楽しい。快楽である。しかし暴力的に奪われることでもある。
わかる! 思う! なんか自分から愛情とかそういうものをむしり取られて、枯渇する気分を味わっていた。自分にも愛情チャージしたかったよ。なんかそういうこと人に言うと、子どもからもらっているでしょ、とか言われる。
そうじゃないの、誰かに大事されて、尊重されたいの。
「母のよい子」でありつづけた自分から解き放たれたい
これ、すごい共感した。
まさに「母のよい子」呪縛。
今、多分、この呪縛の精算をさせられてるんだろうなあ。
最後に、本書の中で、気になったのが、中高年世代の恋愛。
生殖を離れた中高年世代の恋愛は本当は自由
中高年てまだ、生殖できるよ。……と言うのは、置いておいて。
私、占ってもらった人の1人に、夫以外の男性との出会いについて触れられている。
再婚の可能性。
現時点で、まったく考えられないけど、突然に恋愛することがあるのかなあ。
若いアイドルや俳優さんを推している方が、同年代のおっさんに恋するより楽しい気がするなあ。