うつろぐ

うつなので、楽しいことだけする

『傾聴術 1人で磨ける“聴く”技術』を読んで

 読む前に思っていたこと

窓口業務の経験が長い。人と話すのはわりと好き。

年齢を重ねても人と話す環境がほしいなと何となくずっと漠然と思っている。

自分が人を惹きつけるタイプでないことは人生の中でわかっているので、人と話す仕事なりボランティアなりで、歳をとってもできるものを考えていた時に「傾聴ボランティア」になりたいなって思ったことがある。

調べてみたら、対して募集してなかったので、必要ないのかも。でも民生委員とかなれば、お年寄りの話を聞いたりすることになるのかな。

私、人の話を聞いてあげるのが下手だと思う。

人の話を上手に聞いて、人にもっと話したいと思ってもらえる人になりたいなと思った。

 

本の内容について

傾聴術についてさっくり説明した後、実際の傾聴術のトレーニングが主。

例題があって、自分なりの解答を考えた後、解答例と解説を読みながら、傾聴術について学ぶ。

最後に、傾聴力をつけるために有効な手法を3つ紹介する流れ。

単に会話を続けたり、楽しく対話するようなコミュニケーション術と違って、傾聴は相手の心をほぐして、引き出していくので、全然違うアプローチになるのだと参考になった。

 

読んでみて思ったこと

私自身が傾聴を必要としているから、この本を手に取ったのだ思った。

傾聴に興味を持ったのも、私自身の話を誰かに聞いてほしいから、人の話を聴く側にまわることによって、自分の話も聴いてもらいたいという下心がある。

 

この本を読んでいて、結婚してからの10年間夫と対話してきたことが、自分を傷つけてきたことも理解できた。

夫はとても優秀な人で、私の愚痴に対して合理的なアドバイスを返し、なぜそのような行動を取らないのかと聞いてくることが多かった。

それ自身は男女の間の思考の違い(男は解決したがり、女は共感を求める)に過ぎなくて、夫の言動に傷つきすぎる自分を責めてきた。

でも、この本を読んで、自分の悩みの本質を思うことなく端的なアドバイスを返してくる夫に対し、私が傷つき絶望を深めてもおかしいことではないんだなと感じることができた。

また、傾聴という技術がやはり普通のコミュニケーションでは難しいものであり、その役割を夫に求め過ぎてきたのは負担だっただろうなと思うことができた。

 

本の中に「聞き手のうちにある未解決のこころのしんどさは、傾聴を妨げる」とあり、最後の傾聴力をつけるための手法にも、聞き手自身がカウンセリングを受けることが挙げられている。

まさに今、私はカウンセリングを受けている。この本を読んでみて、私と対峙している臨床心理士がどういう考えを持って私と対話しているのかわかった気がした。その上で、まだ私は心を開ききれていないのも何となく感じた。それでも、私の傷は少しずつ明らかになってきていて、それと向かう気持ちもできつつある。

カウンセリングを受けられる現状に感謝したい。